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2017年6月 9日 (金)

2017新しい論文

海洋植物学研究室から新しい論文がリリースされました。Phycologiaという藻類学の国際雑誌です。Issue in Progressとして公開中。

http://www.phycologia.org/doi/abs/10.2216/16-109.1

タイトル:Examination of species delimitation of ambiguous DNA-based Ulva (Ulvophyceae, Chlorophyta) clades by culturing and hybridisation (DNAに基づく曖昧なアオサクレードの種の範囲の培養と交雑による検証)

要約:近年のアオサの分類ではDNA配列に基づく分子系統クレードが種を識別するために多用されている。しかし、分子クレード内のサンプル間、および近縁クレード間の交雑関係はほとんど検証されていないので、それら分子クレードが生物学的種の範囲と正確に一致するのが不明なままである。世界中の多くのアオサ標本を含むITS配列に基づく分子クレードに、暫定的にUlva flexuosaと名付けられていた。その種の範囲は曖昧であり、隣接するUlva californicaクレードと混同される場合もあった。本研究では、このクレードの分類学的位置づけを明らかにするために、培養実験および交雑試験によって、この分子クレード内のサンプル間、および近縁クレード間の交雑関係を検証した。その結果、培養実験によって問題のクレードには有性生殖生活史をもつ株と独立した無性生活史をもつ株が含まれることが明らかになった。クレード内の有性株はITS20.4 %の変異があったが、試されたすべての組合せで接合子の形成が観察された。そして真のU. flexuosaクレードに含まれる株をはじめとするITS2配列で1.2%以上の違いがある株とは交雑しなかった。さらに、最も近縁なU. californicaとはITS2配列で本種と1.2%しか違わないが、接合前隔離と接合後隔離があることが発見された。したがって、本種はU. flesuosaとは異なる種であり、U. californicaとも異なる種であると結論した。分類学的には有性株と無性株の両方をまとめてU. mediterraneaの種名を当てた。

(平岡)

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